Model 304 (Discontinued) / Jeff Rowland D.G.
Model 304
マルチチャンネルの新しいかたち
Jeff Rowland D.G.の300シリーズアンプは、2チャンネル仕様のModel 302から出発して様々な形に発展しています。Model 304 Cはジェフ・ロゥランドの知恵と技術を最大限に投入し、設計、製造した、オーディオファイルの様々なニーズに対応する高出力、高品位の4チャンネルアンプです。音楽性の豊かさは、ノイズフロアの低い明晰なしなやかさで音楽を再生します。マルチオーディオ、ホームシアターなどでユーザーの感性を最大限に生かすことは、ジェフ・ロゥランドのDNAがしっかり組み込まれている証拠でしょう。
パワーサプライは、高出力スィッチングレギュレーターをPFC(パワーファクターコレクター)を介して搭載し、スムーズなサイン波の交流電源を1.2MHz/秒のスイッチングによってバッテリー直流電源と同等のクリーンな直流に変換します。又、スピーカーがアンプに要求する電流は音楽の成分によって絶えず変化していますが、その変化に瞬時に対応することができるハイスピード電源です。高効率化と電源ノイズからの隔離を図った昇圧大型トランスも搭載し、完璧を期した重量級パワーサプライは未来志向のハイスピード電源と申せましょう。
パワーと低消費電力を両立させた理想のマルチチャンネルアンプ
マルチチャンネルアンプは、マルチドライブスピーカーシステムやドルビーマルチチャンネル対応のホームシアターなどで高品質な再生を最低限のアンプ数で達成するには絶好の形態です。なんと93%いう高効率のパワーデバイスを使用しているので、レギュレーターは2機ですが、音質を犠牲にすることなく余裕のパワーでスピーカーをドライブします。電流供給はスピーカーが要求した電流を瞬時に供給できるハイスピード電源ですから、吹き上がりが素早く、スムーズで小気味よいスポーツカーを思わせる魅力があります。大出力、ハイスピード、コンパクト、省エネルギー、といった相矛盾する要素を全く妥協せずに達成したModel 304 Cは高品位マルチアンプに対するジェフ・ロゥランドの回答です。
優れた特性のアウトプットデバイス
出力デバイスは第5世代の出力素子といわれるほどの優れた特性を持つICEpowerで、その美点を100パーセント引き出し、スムーズで迫力に富んだ音質、音場を再現します。アイスパワー自体、ゲインが高く、パワーサプライからのDC電流が少なくてすむ高効率デバイスで、パワーサプライのスピードと電磁波防御などの面で大きなメリットがあります。
シグナルパスが極端に短い設計を可能にしたこのデバイスは高調波歪みが0.006%と非常に少ないだけでなく、混変調歪みが0.002%(CCIF 19/20k Hz)と並外れて少なく、豊かで自然な倍音成分、透明で澄みきった音楽が描かれます。原音には存在しない付帯音が再生音に加わらないように混変調ひずみの低減を目指すことはジェフ・ロゥランドの設計目標の一つです。
ICEpowerの電圧、インピーダンス、ノイズなどの変動に強いという性質によって、Model 304 Cは117dBという生演奏に近いダイナミックレンジを測定し、しかも生演奏の豊かなグラデーションを再現します。ダイナミックレンジとは音圧ピークに対するノイズの比ですが、その数値が大きければ大きいほど実際の演奏に近い静かなアンプということが分かります。オーディオの魅力であり、楽しみでもある、何もない空間から響き渡る鮮度の高い音が広いステージ感とともに得られます。高いダイナミックコントラストときめ細かい階調表現によって本当の意味でライブに近い演奏が楽しめる高品位アンプの誕生です。
デンマーク工科大学のニールセン博士によって完成されたこのICEpowerは、デンマークB&O社の出資によってベンチャー企業として製造を開始、今もっとも注目を浴びている企業の一つです。生みの親のニールセン博士が、300シリーズアンプの音質と表現能力に驚嘆してICEpowerの実力を再認識したという事実は近年のオーディオ界の神話となりつつあります。
インターフェイス
コンピューター関連機器の接続にはインターフェイスは非常に重要なことは常識となっています。同様に、プリアンプ側から送られる信号を100%受け取るには最適なインターフェイスが必要なことはいうまでもありません。まして、マルチアンプではより多くの出力とつながるわけですから、大変重要な音質決定のポイントとなります。
Jeff Rowland D.G.では15年にわたる研究と試用、検証を積み重ね、インプット・トランスのインターフェイスに果たす優位性を理論のみならず聴感でも確認しました。トランスの物理特性と材質が重要で、低域特性でも10Hzまで完全にフラットというヨーロッパの放送局や国防省で実績のあるランダール社のユニークな構造のトランスを搭載しました。このインプットトランスによってフロントエンド機器とのインターフェイスは完全なものとなり、アンプにとっての入力信号は細大漏らさず受け取ることが出来るのです。もちろん、EMIなどの外部ノイズに対しても非常に強靱なアンプとなりました。
シャシー
ほんのわずかなデバイスの振動も音楽再生に悪影響を与える、という事実から、リジッドなシャシーを全く新しく設計しました。いまや、Jeff Rowland D.G.の外見的特徴となった、シンプルで分厚い航空機グレードハードアルミ切削加工によるシャシーは、スピーカーキャビネットと同様なクロスブレーシング構造を採用し、シャシーや回路構成部品の共振を極限まで排除しています。
アンプ回路、電源、トランスはそれぞれ隔離されたチェンバーに納められ、その間仕切りは隣接するボディーパーツとボルトによってしっかりと固定されています。剛性はかつて無いほどに高く、内部回路、部品の相互干渉、電磁波リークもほとんどありません。
心にふれる演奏のために
しなやかに、ダイナミックに、そしてフォルテッシモはあくまで静かに。そう、静けさが圧倒的に深いのです。その静寂から飛び上がる粒立ちのよい、芳醇で瑞々しく勢いよく吹き上がるような音の粒子。溢れんばかりのエネルギーと静寂の中に佇む繊細さとを兼ね備えた音楽の心を奏でるアンプ。
93%という驚くべき出力デバイスの効率によって、ご家庭で消費電力を気にかけずに大出力マルチアンプ本来の魅力を堪能できる時代となりました。これまでは不可能だと考えられていた傑出したパワーと驚異的な低消費電力の両立を実現したアンプ。それがジェフ・ロゥランドの自信作、Model 304 Cなのです。
Specifications
- 連続完動出力(両chドライブ時)
- 250W @ 8Ω
- 450W @ 4Ω(連続 RMS)
- 周波数帯域
- 5Hz~60kHz, 3dB
- ピーク出力電流
- >45 Amps
- ダイナミックレンジ
- 117 dBA
- 高調波歪 + ノイズ
- 0.1W-500W/4 ohm / <0.05%, typically 0.006 @ 1kHz
- 混変調歪 CCIF
- 19/20kHz / <.02%
- ダンピングファクター
- @ 1kHz / 275.
- ゲイン:(Balanced or Unbalanced)
- 26 or 32 dB(選択可能)
- 入力インピーダンス
- 40k ohms
- コモンモード・リジェクション比(CMRR)
- >90dB, 20Hz 20kHz
- フェーズ
- Non-inverting, Pin 2 Positive
- 入力(ユーザー選択)
- 4x Balanced XLR
- 4x Unbalanced RCA
- 出力
- スピーカーターミナル 4系統
- 消費電力
- スタンバイ Switch OFF / 85W
- スタンバイ Switch ON (idle) / 100W
- 最大 / 1200W
- 重量
- 45 kg
- 寸法
- W394xH269xD469mm
- 同梱品
- ACケーブル
- 3/2アダプタ
- ソルボタンディスク x 3
- 取扱説明書
- 保証登録書