Model 201 (Discontinued) / Jeff Rowland D.G.

Model 201

Model 201

2001年1月のCESで初めてICEpowerの存在を知りました。大変良い特性を持っているとのことなので、同年春にサンプルを取り、テストする機会を得ました。ジェフ・ロゥランドはアナログアンプに関しては考え得る全てのことを製品に注入し、行き着くところまでいってしまったと感じていました。従って、より小さいサイズで信頼性が高く、効率の良いデバイスを求めていました。(高効率と言うことはスピーカー・アンプという関連から見て、アンプ増幅部からDCパワーサプライへの要求が少ないということです)効率についてはDC電流が今の半分以下のものがほしかったのです。しかし、振り返ってみると、実際にICEpowerのサンプルをもらってリスニングテストするまではこのような考えは起こらなかったと思います。

ICEpowerのサンプルを試して、優れた音楽再生のデバイスとしての可能性を発見しました。具体的には、ローレベル信号の解像度の良さ、特に、ローレベルでのミクロダイナミックレゾリューション(Micro Dynamic Resolution)は、アンプリフィケーションステージにおいて一番大切なものとかねてから考えていました。なぜならば、音楽の美しさ、繊細さが高解像度で再現されることによって、サウンドステージの特質が(キャラクターという意味です)再現されるからに他なりません。

おもしろいことに、シングルエンドトライオードアンプを崇め奉るオーディオファンは最初の1ワットこそが最重要な1ワットである、といっています。これは全く正しいと思いますが、ICEpowerでは、さらに、最初の1ミリワットが最重要といういうレベルに進化しているのです。ノイズフロアーレベルはミリワットレベルにまで抑えられているのですから。

ICEpower の潜在能力をフルに引き出すために行ったこと。

Model 201

ICEpowerはそれ自体、十分な強力パワーサプライを備えています。電圧、ノイズ、アウトプットインピーダンスなどといったパワーサプライの変動にたいしての拒否レシオが高いわけです。即ち、増幅段が変動の影響を受けにくいということです。

ICEpowerの能力を全て引き出そうとすると、送られてきた信号を完全に取り込んで増幅できるようにすること、そして、共振に強いシャシーを用意しなければなりません。どんなアンプ技術でもインプットフィルターの質によって音の質、アンプとしての質が決定されます。と言うことは、外の世界といかに優れたインターフェイスを持つかということです。

これはソースコンポーネントのインターフェィスの意味ですが、EMIを拒絶する能力も重要だと言うことです。J ロゥランドではインプットトランスをその方法として利用し、大きな成果を得てきました。これによって完璧に近いインターフェイスが築かれます。

又、先に言いましたように、ミクロダイナミックスが音楽再生にとって非常に大切であるという点から、回路の振動を出来る限り抑えるように配慮しました。今までのシャシーデザインをさらに一歩進めて、一体構造とし、航空機グレーハードアルミによるくりぬき加工としました。

インプットステージと増幅ステージを完全に分離し、シャーシは一個のアルミブロックからの削り出しです。一言で申し上げれば、今までの経験に基ずいて、考えられる全てのことを具現化し、ICEpowerの潜在能力の全てを引き出すことを行いました。

インプットトランスは300シリーズで好ましい結果を得たスゥエーデンのラウンダール社製のものを使用しました。ラウンダール社は1959年創業で、ずっと高精度のトランスを供給してきています。

最初に使用したのは当時かなりの力を持っていたスゥエーデン国防省で、次にスゥエーデン国営放送がインターフェース用に大量発注しました。続いてBBCがラウンダール社トランスの性能に着目し、使用しています。このトランスはユニークな構造のCコアトランスです。精度の高いギャップ、特殊な捲き線技術で作られているという非常にユニークな構造を持った、特殊なトランスです。

ICEpowerとクラスDとの違い

ICEpowerとクラスDとの差異も一言触れておきます。一番の違いはクラスDはパルス幅によって変調を決定するのですが、一方ICEpowerはパルス幅変調も行うことは行いますが、データの取り込みサンプリング周波数も変化させます。この点が大きな違いといえます。

フィードバックは出力フィルターも含まれており、この変調技術はクラスDと大きく異なります。出力エラーを起こさないようにフィードバックして入力信号と同じものを増幅課程でつくることができのです。それ故、ICEpowerは、真空管から始まった、第五世代のパワーデバイスといわれるのです。

リアパネル

Model 201 Rear

Specifications

連続実効出力
@ 8ohms / 250W
@ 4ohms / 500W
周波数帯域
4Hz~75kHz, 3dB
ピーク出力電流
>35 Amps
ダイナミックレンジ
117 dBA
高調波歪 + ノイズ
0.1W-500W/4 ohm / <.05%, typically .006 @ 1kHz
混変調歪 CCIF
19/20kHz / <.002%
ダンピングファクター
@ 1kHz / 1000
ゲイン
26 or 32dB( 内部ジャンパーにて切り替え可能)
入力インピーダンス
40k ohms
コモンモード・リジェクション比(CMRR)
>90dB, 20Hz~20kHz
フェーズ
Pin 2 Positive
入力
1系統 バランス(XLR)
出力
1系統
消費電力
アイドリング / 8W
連続最大出力時 / 600W
重量
6.2kg /1台
寸法
W216xH65xD290mm
同梱品
ACケーブル x 2
3/2アダプタ x 2
取扱説明書
保証登録書

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