Rockport Technologiesについて

Rockport Technologies Location

Rockport Technologies(ロックポートテクノロジーズ)は、Payor Acoustics(ペイヤーアコースティックス)という名称で、1984年にコンパクトなサテライトスピーカー+サブウーファーシステムの設計からスタートしました。

ずっと以前から私たちは、アナログ再生システムには非常に大きな情報損失(ロス)があることに気づいていました。その情報ロスとは、音楽信号がフロントエンド機器によって機械的エネルギーから電気的エネルギーに変換され、スピーカーによってふたたび機械的(音響的=アクースティカル)エネルギーに変換される際に発生します。

このように二度の変換ロスが起こるのです。そのロスを軽減することに努力すれば、オーディオシステムはより良い音楽再生を可能にし、大きく飛躍出来るはずです。私たちは25年以上にわたり、この点に焦点を当てて開発に励んで来ました。

会社概要

Rockport Technologies Facility

米国メイン州、大西洋コーストラインにつながる静かな入江に本拠を構えた私たちの施設は、創造的なデザインを行うには理想的な環境です。デザイン(設計/試作)、検証とテスト、製造、高度な品質管理など、製品のアイデアから完成まで、すべてこの地で行われています。同時に、高い能力を持った、数多くの信頼できる協力業者が、私たちの理想を追求した製品製造に貢献しています。製品の検証や試聴を効果的に行い、かつ試作機や製品の本性を露わにする音響設計を施したリスニングルームも、私たちの自慢です。

会社の概念

Andy Payor

創業者でありチーフデザイナーでもあるアンドリュウ・ペイヤーは次のように語っています。

「私は両親からの影響で、幼少の頃から音楽への愛情が心にしみ込んでいるようです。音楽は、思考/感受性に、とても大きくまた深い影響力を与えます。音楽は、思い出となった記憶を呼び起こさせ、より優れた製品を作るべきだ、と私をいつも鼓舞するのです。」

歴史

Rockport Technologies Sirius

最初にロックポートの名を冠した製品は1991年に登場しました。この歴史的な製品は、オリジナル・シリウス・レコードプレーヤーで、世界各国から賞賛されました。それ以来、ロックポートはシリウスをベンチマークとしてその姉妹機、そしてスピーカーを製造してきました。また、ソニー・CBSから特注でLPトランスクリプションユニットを製作しました。

私たちの作品の開発と性能について高い評価をいただき、内外のハイエンドオーディオ関係機関から、多くの賞をいただいています。ロックポート製品はいつも他メーカーの評価に対する基準となっているほどなのです。

私達の使命

Andy Payor

物理的、電気的、音響工学的原理を重視して、音楽信号の絶対的な一貫性を忠実に維持するよう設計し、 細心の注意を払って選別された素材を使用しています。このアプローチは稚拙な録音による音楽の欠点をあらわにしてしまう傾向がありますが、演奏の感情から細部のニュアンスまでもが収録された録音作品では喜ぶべき結果をもたらします。音色的にニュートラルで、関連機器の優れた点を引き出せるようなスピーカーを製作しています。

企業施設

設計

アイデアはそれがいくら素晴らしくとも出発点にすぎません。アイデアから製品を実現させ、具現化することは、なかなか大変なことです。概念を設定した後の製品開発は、二次元/三次元のCADシステム、構造分析、 リニア回路分析、共振特性、音響学的分析など、多岐にわたって最新システムで解析されます。また同時に、25年以上に渡る素材研究、フィルター設計、トランスデューサー設計の経験から、使用部品や構造を見れば、潜在能力を予測することが出来るようになりました。もちろん、音楽再生では数量化できない多くの要素があることを認識していますが、製品自体が伝統的な理論、技術に立脚していれば、新たな発想による製品は常に新鮮な驚きをもたらすのです。

製造

Production

私たちのスピーカーモデルは全て入手可能な優れた素材、部品を使用しています。そして「ミラ2」から「アラキス」まで、全モデルは立証された技術、理論をベースに組み上げられます。多機種の製品を大量生産しなければならない……、というプレッシャーから解放されていることが、私たちのような小さな規模のメーカーの利点です。固定費は少なく、販売実績にいちいち神経を使うこともありません。実際私たちは、これは一点物のスピーカーである、というほどの気持ちを込めて製造しているのです。

リスニングスペース

Listening Room

究極のオーディオコンポーネントは、正しくかつ注意深く設計されたリスニングルーム内において最大の性能を発揮する、と言う事実に異論を唱えるオーディオファイルは少ないでしょう。私たちのリスニングルームは何も制限を受けず、理想を追求して設計をしました。部屋の寸法は定在波を最小限に抑える比率で決定されています。

また、壁面、床面とも全て25cm厚のコンクリート構造です。約8cm厚の高密度な遮音材によってコンクリート壁の両面を挟んでいます。その上には二重のダンピングモードを備えたシースが張られています。壁のキャビティーゼロは部屋が太鼓の内側のように膨らんだり、圧縮されたりすること(壁面の振動)を抑えます。天井も50cm厚の構造で、二重のダンピングシースで覆われています。

技術

私たちロックポートの設立目的は、スピーカーシステムから絶対的な音響パフォーマンスを得ることです。ユニークで独自な技術を駆使しつつ、一味違った製品を提供することで、他のハイエンドスピーカーメーカーとは一線を画した地位を得ることが出来ました。限界に挑むほどの技術と製造に関するアプローチが、デザインのいたるところ見い出せるでしょう。 スピーカーの製造過程において、最高度の材料と製造技術を注ぎ込むための時間と努力を惜しみません。ロックポート製品のパフォーマンスは、研ぎ澄まされた感覚を持つ聴き手の感性に訴える作品です。

エンクロージュア

 

Enclosures

Enclosures

Enclosures

最先端の3Dモデリングとコンピューターを駆使して、モノコックエンクロージュアを設計/製造して一部のモデルに採用しています。一体構造は、シートストック、アルミ材などでは不可能です。一体型キャビネットは内部の定在波を低減させ、ドライバーの音源位置を明確にし。回折/輻射を可能な限り低減させています。フラッグシップモデルの「アラキス」はCNC切削機を活用し、ポリウレタンの頑丈なブロックから削り出し成型しています。このようなトップエンドモデルの製造方法とコンセプトが、Rockport Technologiesすべてのスピーカーに応用されているのです。

ドライバー

Driver

私たちの最新世代のダイアフラムは超高係数(ultra high modulus)のカーボンファイバーを使用しています。二枚のカーボン表面材の間には、強化エポキシレジンシステムを充填させ、265度F(130℃)の高温と高圧環境下で一体化され、ロハセルコア(Rohacell core)構造としています。特別なファイバーによって織り込まれたカーボン布は、すぐれた平面性を保ち、ひだが波形にならない特徴があります。

その結果、他の材料やこれまでのカーボン材に比較して、ハイテンサイル(高張力)になっています。重量は1平米当たり68g(6.8mg/cm)と非常に軽く、よじれ、たわみなどの変形に対して強靱です。全帯域において完璧なピストン運動を得られるドライバーとなりました。

Sketch showing notation for sandwich composite.

クロスオーバー

Crossover Networks

スピーカーの心臓部はクロスオーバー回路です。クロスオーバー回路によってスピーカーの音質が良くも悪くもなると言っても過言ではありません。私たちのクロスオーバーはフラットな帯域特性を再生するように、グループディレイを最低限に押さえ込んだ上で、全帯域にわたり位相整合と最高度の精度を持った過渡特性を得ています。

クロスオーバー回路の部品をPCボード上で簡単に組み上げるのではなく、部品をケーブルで配線しました。コンデンサーは独自設計のフィルム、フォイルコンデンサーで、ロックポート規格として専門メーカーによって製造されています。また、インダクターコイル、高評価なカドック製パワー抵抗もロックポート規格のカスタムメイドであり、すべて1%以下の許容差の高品位部品を使用しています。

感動をもたらすスピーカーとは、先人の成功に習うことや、教科書通りに製造したもの以上に、私たちの心を動かす「何か」を必要とします。 スピーカー設計とは互いに干渉し合い補完し合う複眼的な研究課題でもあり、それを厳しく律する統合力が要求されます。設計の要素は多くありますが、要素のひとつひとつはベル形カーブと見ることが出来ます。各設計要素の最高度のパフォーマンスはベル形カーブの頂点です。その頂点が各要素によって異なるため、本当の意味での偉大なる設計とは、その異なるカーブが同時に最適化されることが必要であるとともに、多面的な設計要素の芸術的統合をも満たさねばならないと考えます。

製品

Crossover Setting

私たちのスピーカーモデルは設計と製造において、多くの類似点があります。私たちは製造する各システムに対して、持てる力と努力を統合して惜しみなく注ぎ、各製品を完成させています。各モデルの主な相違点は、超低域の再生能力と絶対的な音圧レベルに見出せますが、基本的なパフォーマンス(サウンドステージ表現やスムーズなトーナルバランス、豊かなハーモニックスなど)は一貫しています。 ロックポートのスピーカー各機種からどのモデルを選ぶかは、リスニング環境によって、また、ユーザーの要求度によって選択されるべきであり、基本的な表現力は同じDNAから成り立っていることをご理解いただけると信じています。 非常に美しく、精密な製品の仕上がり。そして、息を呑むように絶対的な能力は、フラッグシップモデルから一番低価格なモデルまで一貫しており、それは私たちロックポートの「卓越した製品群」を提供することの証明でもあるのです。

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