Melody (Discontinued) / Nagra
Melody
生産完了いたしました。これまでご愛好いただきまして誠にありがとうございました。
進化「Melody」
Melody(メロディ)はJazzと同じ道をたどり誕生しました。MelodyとJazzは共通部品も多いのです。Melodyの開発については、Nagra製品をより多くのユーザーに味わっていただきたい、そのために価格的にも出来るだけ押さえるという基本命題がありました。しかし、とはいっても製造面での妥協は限りなく排除しています。すでに市場に出回っているソリッドステートアンプにはソリッドステートプリアンプを、と言う方針でJazzとの並行開発で生まれた、いわばJazzのソリッドステート版です。 命名はNagraの音楽への深い愛情を示そう、と言うことでMelodyと名付けました。
ハイファイ機機はデジタル、トランジスタなどの発明、進化によって発展してきています。電気部品も着実に進化しています。回路技術、製法の進化によって適切な部品を選別し、それをた基板に植え付けるという最高度の技術の恩恵によって優れたオーディオ機器が産まれています。
微細な信号を考慮し、ディテールにこだわった製品開発は、結果として大きな音質進化を製品にもたらします。機器の改良とは境界を突き破って細やかなところまで目を光らせて改善していくことです。
Nagra機器は一歩一歩、着実な進化を遂げております。着実な、そしてディテールに目を配った進化はナグラにとってもブランド価値を維持する上で大切なことです。即ち、新製品はユーザーにとって所有する歓び、音楽を聴く喜びを感じ取っていただける製品でなければ発表する価値は無いということです。開発目標
シンプルな解決方法によって飛び抜けたパフォーマンスを!
一番の設計目標はNagraプリアンプ、PL-P、PL-L、Jazzをより現実的な価格で提供したいと言うことでした。そのため、真空管ではなくトランジスタを採用することにしました。Nagra開発陣はNagra4−S、4.2という機械的テープレコーダーまでNagraのルーツをたどりました。
Melodyの回路構成はJazzと酷似しています。コンセプトは「よりストレートに、よりシンプルに」です。そうすることで、高い透明度のプリアンプを産み出したのです。
エレクトロニクスの進歩は出来るだけシンプルに、複雑な回路を小さな回路基板に縮小するということを可能にしました。また、その進化の恩恵によってノイズ、発熱、消費電力を押さえ、動作と耐久性を安定させることが出来ました。
回路は可能な限り短い経路で結ぶことによって電磁波などの影響を最小限に抑えることが出来ます。メロディーではボリューム、バランスがリモートコントロールで操作できますが、これも最新回路とコンパクトな部品のおかげです。
入出力端子は全てリアパネルに配置し、ホームオーディオシステムとしてラックに収まるようにしました。コストも重要なファクターです。パワーサプライを丁寧に、その影響を他の回路に及ぼさないように、シャーシ内部に収納しました。シャーシ内部にパワーサプライを配置することは、設計陣にとっては大きな挑戦でした。回路を電磁波から守るためにミューメタルでパワーサプライをシールドし、干渉をほぼ完璧に排除できたのです。
フロントパネル
フロントパネル large image
美しいヘアライン仕上げハードアルミによるMelodyのシャーシは人間工学を強く意識するNagraならではのスタイルとなりました。他のMelody機器、例えば、フォノステージVPS、CDC/CDP等と同サイズにまとめ、一体感を演出します。また、MelodyをVFSオーディオボードの上に設置すれば、周囲からの共振を大幅に排除することも出来ます。
※写真のVFSはオプションです。
リアパネル
リアパネル large image
Melodyのコネクターはすべてリアパネルに装備されています。これまでのプリアンプではコネクター類をNagra伝統のサイドパネルに配したデザインを採用して参りました。この方式はプロ産業では大変重宝されておりましたがホームオーディオでは少々扱いにくい面もありました。Melodyのコネクターはホームオーディオに適した配置とないました。
Melodyの入力には5系統あります。チャンネルA、B、C、D、EがそれぞれRCA入力となります。さらに6番目の入力としてバイパス入力がございます。Melodyの電源がOffの時には、バイパスモードとして機能し入力から直接XLR出力へと接続されます。出力は二系統で、リレーによって切り替えられます。この内のひとつはXLR、もう一方は RCAで、バイアンプを考慮しています。
MC/MM フォノモジュール(メーカーオプション)
メーカーオプションにてMC/MMフォノモジュール付きモデルもご用意いたしました。フォノモジュールを装備することによりチャンネルAがフォノ入力となります。内部の切り替えにてMCとMMがご使用いただけます。
設計当初よりフォノオプションを組み込むことはオーディオファイルにとって大切な点であると考えました。フォノステージはBPSをベースに同じ回路構成で用意しました。もちろんNagraの手によるトランスを装備しています。
このフォノステージはBPSと全く同じように使えます。MM,MCカートリッジにも対応していますし、カートリッジの最適負荷インピーダンスを選択することが出来ます。外部電源式パワーサプライ(オプション)
Melodyに、オプションの外部電源式パワーサプライ ACPS IIをご用意しております。ACPS IIから12 VDC入力をLEMOピンを介して取り入れることも出来ます。上級モデルのNagraプリアンプやCD等にはACPS IIパワーサプライを標準で使用しています。増幅回路をAC電源の影響から守り、たちまち音楽の表現力が格段に向上いたします。
また、ナグラは絶えず進化していますので将来よりすぐれたパワーサプライが用意できれば、簡単にアップグレードできるというメリットもあります。
※ 掲載している写真内のオーディオプレートボード-VFS(ヴァイブレーション フリー サポート)は、オプションです。
Specifications
- 入力インピーダンス
- >75kΩ
- 出力インピーダンス
- 47Ω(Cinch)
- 100Ω(XLR)
- 周波数帯域
- 10Hz-50KHz +0/-1dB
- ダイナミックレンジ
- >110dB +12dB出力時
- Signal to noise ratio
- >100 dB (ASA-A weighting, ref. 1 V)
- 最小入力電圧(0dB出力時)
- 0.25V rms +12dB出力時
- 最大入力電圧(0dB出力時)
- >0.25V rms 0dB出力時
- THDディストーション
- >0.02% 1V出力(1KHz無負荷)
- クロストーク
- >75dB
- 寸法
- W277xH75xD254mm(本体)
- W141xH43xD94mm(外部電源/オプション)
- 重量(本体)
- 3.0kg(本体)
- 0.9kg(外部電源/オプション)
- 付属品
- リモートコントロール
- オプション
- フォノモジュール(MC/MM)
- 外部パワーサプライ ACPS-II
Phono Option Specifications
- Input sensitivity(for 1 V output level)
- MC 670 uV or 4.4 mV
- MM 2.2 mV or 16 mV
- 周波数帯域
- 20 Hz (+1dB) - 50 kHz (0dB)
- Signal to noise ratio
- > 75 dB (ASA-A weighted, ref. 1 V)
- クロストーク
- > 70 dB (1 kHz)
- THDディストーション
- < 0.02% 1V出力(1KHz無負荷)